Entries from 2024-03-01 to 1 month

「だって……覚えてない……。」

「だって……覚えてない……。」 三津は泣きそうになりながら小刻みに震えた。 「何?お三津ちゃん何か失敗したそ?まぁお酒の席やしそれぐらい大丈夫やけぇ気にせん気にせん!」 セツはそう言うがそれで済まされる事ではない。 「ねー酔うと多少はみんな何かやらかし…

「待って。

「待って。俺は馬鹿三人を止めに行っただけだから。」 伊藤は濡れ衣だと訴えた。確かに伊藤は三人を連れ戻そうとしていたから馬鹿から排除してやった。 「こっちも疲れて寝たいのに何を期待したんか部屋の周りうろうろして挙句三津さん起こしたそ。」 「その時よ…

「私は……新選組のみんなに顔がバレて

「私は……新選組のみんなに顔がバレてるので私が行けば小五郎さんが居ると知らせてるようなもんですからね……。」 「すまない。」 桂は三津の物分りの良さに少しほっとしつつも,自分に執着していないようで寂しくもあった。 「向こうに着いたら必ず便りを出す。待…

桂には早朝と夕方におにぎりを届

桂には早朝と夕方におにぎりを届ける約束をして名残惜しくもその日は別れた。 家に戻った三津は箪笥の引き出しを開けてみた。 「こんなに……。」 今まで触ったことのない量の金子が包まれて引き出しに入っていた。その金子の横にトキが使っていた覚えのある巾着…

抱き寄せられて手で口を塞がれた

抱き寄せられて手で口を塞がれた。振り向くと桂が少しやつれた顔で微笑んでいた。 「良かった会えた。」 そう言って自分を見下ろしてくる柔和な顔を見て三津は泣きそうになった。 煤だらけの顔に着ている物も酷く汚れている。easycorp 「大丈夫ですか?どこか怪…

吉田はそこは見なかった事にして話を続けた

吉田はそこは見なかった事にして話を続けた。 「実際それはデマだったけど周りから見ればそれだけ気に入られてたって事。案外恋敵多いんだよ。」 「ふーん。その辺の女子と変わらんように見えるけど,俺に拳骨しよる女子はそうおらんな。」 なかなか痛かったんだ…

そう言われて慌てて乃美の横に

そう言われて慌てて乃美の横に並び膝をついて頭を下げた。 「三津と申します。」 宮部は三津の正面へやって来て屈み込むと顎に手を添え顔を上げさせた。 じっくり観察され,三津の目は忙しく泳ぎ回った。 「こりゃ可愛らしい女子たい。桂さんどこで見つけたと?…