Entries from 2021-12-01 to 1 month

沖田の声はひどく穏やかで

沖田の声はひどく穏やかで。冬乃は、かえって悲しくなって沖田の目を見れずに、 「山南様は・・」 湯呑の、水鏡をかわりに見つめた。 「・・山南様のご意志で、避孕方法 切腹されることを選ばれたのですよね・・」 人の世に疲れ果て、その先の諦念を心に懐き…

井上が離れの庭の前に立ち

井上が離れの庭の前に立ち、隊士達の人払いをしている中で。 冬乃は井上に会釈して女使用人部屋に入るなり、殆どへたりこむようにして座った。 「あんたは・・如何して帰ってきたりしたんだ!」 すぐに襖越しに聞こえてきた、土方の悲痛な声に続き、 「幹部…

冬乃は、離してください

冬乃は、離してくださいと目で訴えつつ山崎を上目に見上げ。 「私は、彼にどう想われていても想われてなくても、いいんです」 先の冬乃の『ほっといて』発言に、さすがに驚いたのか冬乃の腕を掴む力が緩んでいた山崎の手を、振りほどいた。 「想いが通じ合う…

「着終わりました

「着終わりました、・・有難うございます」 二人に声をかけると、沖田が振り向き、 「そういや、土方さんが留守の時でよかったね」 笑いかけてきて。 冬乃は、その笑顔にとくんと心の臓を跳ねさせながら、おもわず釣られて「ハイ」と頷いてしまった。 土方の…