「李儒だって!? なんであいつ

李儒だって!? なんであいつがここにきているんだ、董卓派の筆頭じゃなかったのか」

 

 賈翅と李儒董卓の左右の軍師って感じだろ、その敵にあたる皇太后の宮に呼び出しを受けて応じるなんてスパイ? いや、それ以前に門前払いをされて当然か。

 

「我が君、李儒殿はやや暫く前より中央で仕えられている廷臣で御座います。どこでそのようなお話を?」

 

「そうなのか?」富途牛牛背景

 

 俺の記憶違いか? それとも同姓同名の別人? 漫画の作り話の類? よくわからん、だがただ者ではないのは感じられるぞ。こういう時は直に話してみるのが一番だろう。

 

「行くぞ」

 

 返事を待たずに真っすぐに李儒のところへと歩いていくとこちらに気づく。初対面だ、注意をしているな。拳礼をし名乗りを上げる。

 

「歩兵校尉島介です」

 

「お初にお目にかかる、私は中散大夫李儒と申します」

 

 これといった敵意や悪意は感じられんな? 俺とどっこい中年一歩手前、この時代なら三十代は中年かも知れんが、やはり四十歳が節目だろうと思ってるんだよ。

 

「人違いだと失礼になるので一つ確認を。李儒殿と同姓同名の方が宮廷に居られたりはありませんか?」

 

 何せ姓名のバリエーションが少ないんだ、幾らでも同じだってやつはいる。文字で書けばまだはっきりもするが、発音だけではそれこそ類似の山だぞ。

 

「私が知る所では居りませんが、属吏の隅まで把握しているわけでもありませんので」

 

 そりゃそうだ。だが董卓の傍仕えなら知らんことも無かろうから、俺の知ってる李儒はこいつなんだろうな。「ではきっとあなたが私の知る李儒殿なのでしょう。もし差し支えなければ、時を見計らい一献いかがでしょう」

 

「私をお誘いで? それはそれは、どうもご丁寧に。このような非才非学の徒でよろしければ、いつでもお声がけ下さいませ。しかし何故でしょう」

 

 荀彧は何も言わないが、同じく理由を聞きたそうな雰囲気をしているな。

 

李儒殿といえば文武に聡く、知恵が深いお方と聞き及んでおります。是非教えを乞いたく」

 

「この私がそのように言われるとは珍しいですな。ははははは、喜んでお付き合いいたしましょう」

 

 拱手すると畏まる。ん、あれは宦官だな、いよいよ皇太后のお出ましか。宮の中央に集まって整列して降臨を待つとしよう。

 

 仰々しいまでの衣を羽織った女性、まだ二十代か? 少帝の歳を考えてみて、この時代を鑑みれば不思議ではないくらいだ。何苗将軍と目元が似ているな。集まっている男達を見て何を思っているか、まあ少ないと焦っていたりはするかもな。

 

「そなたらに来てもらったのは他でもない、董卓が幅を利かせているのを掣肘するためじゃ。あやつは皇帝を蔑ろにし、漢の正統を乱す存在、これを外す為に働いてもらう」

 

 やる気十分だが、こちらの意図は無視ってわけか。何進何苗が居た時はそれでも良かったかもしれんが、今はそれで通用するかな。この場の官らは微妙な表情だぞ。

 

 皇太后が宦官へ片手を伸ばすと、盆を持った者がそろそろと近寄り差し出す。

 

「上手く事を運んだものは列侯へと封じるよう手筈を整えてやろう」 盆から取ったのは印璽、いくつかの地域の侯印か。官職についているよりも実益が大きい、これならば従うものだっているだろうさ。一歩進み出る奴がいる、誰だ?

 

「都船令栄信で御座います。船上であれば司空の護衛も少数、視察を行うことになればそこで」

 

「ふむ、都船令の案を実行出来る者は無いか」

 

 董卓のスケジュールに影響を与えられるやつってことだよな。もうひとり進み出るやつがいる、李儒だぞ。

 

年の大恐慌は

年の大恐慌は、数年間続いた大恐慌の時代の到来を告げました。

実際、株式市場の暴落がこれに大きく関与しています。それから数週間で、消費者は

幅広い消費財に対する需要が弱まり、企業の信用が揺らいでいます。

設備投資が減少するにつれて、企業の倒産が増加します。それから、先に述べたように、経済は

科学者たちは、当時の連邦準備制度を含むいくつかのより深い要因を主張することによって、市場を言い訳しようとします。

ポリシーは十分に緩くなく、ビジネスの衰退に責任があるはずです。このステートメントはばかげて回避します

真実。実際、金融、銀行、家族信托 金融業界を引き起こしたのは市場の暴落でした。

構造は非常に壊れやすいです。市場の暴落が経済に大きな影響を与えたことは間違いありません。

経済を破壊した。1929 年の大恐慌の後、株式市場が何らかの形で下落したのではないかという疑惑が生じました。

ある意味では、彼らのお金を盗むために使用されます。しかし、1950 年代半ばまでに、

アメリカ人はこの疑惑を止めました。 1954年と1955年、あの暗い10月に

過去 25 年が経過した後、再びささやかなブームが起きています。

1950 年代後半から 1960 年代にかけて投機の復活が見られた

その後、投機筋の熱気がさらに高まり、暴落が続いた。この時期、アメリカは

国やその他の工業経済は順調に推移しており、低い失業率、経済成長率を維持しています。

安定した力強い成長と低インフレ。これらの経済パフォーマンスのコンパニオンとして

来る楽観主義を反映して、それらの若い市場オペレーター、特に

1960 年代に登場したいくつかの機関は、国民の信頼を得て、今も信じ続けています。

非常に革新的な新しい投資方法を所有します。比較的緩やかな景気後退が発生

学生は、主に 1962 年と 1969 年に、少なくとも暴動を起こしました。

マシンは部分的に修正されています。米国に後押しされた新たな投機の熱狂は、スイスで特に顕著である

驚くべきことに、この傾向は他のヨーロッパや南米にも広がっています。

バーナード・コーエンフェルドとエドワード・コウィットで

、エネルギッシュな若者のグループが  を設立

インベスターズ オーバーシーズ サービス (IOS) と呼ばれていた

彼らのブレインストーミングの成果と呼んでください。バーナードはソーシャルワーカーで、エド

フアは間違いなく成功した弁護士です。 IOSには多数のミューチュアルファンドと投資があります

他のミューチュアルファンドのミューチュアルファンド(ファンド内のファンドをFOFと呼ぶ)が志向

後者には、IOS の自己資金に投資するミューチュアル ファンドが含まれます。販売についても

投資信託を管理する会社、銀行、保険会社、その他の金融機関は、

導く役割。しかし、最も重要なことは、それが大規模な販売組織であり、証券の販売を行っていることです。

営業担当者は他の営業担当者を募集し、その売上からコミッションを受け取ります。

採用された人は、順番に他の営業担当者を採用し、コミッションを受け取ります。金文字もそう

塔のような組織は、ドイツではわずかな投資で 6 階建てにまで成長しました。

一部は、有価証券の計画的な購入に使用されました。残りの資金はコミッションの支払いに使用されます。

「御大将、それはなりません

「御大将、それはなりませんぞ。宮に出向いては命を差し出すようなもの、危険すぎます!」

 

 袁紹の言はもっともだ。敵の巣窟に迷い込むようなことは褒められん。自身で拒否したら角が立つが、こうやって周りに止められたとなれば、まあ聞こえも違うか。そういう意味では本人の返答が何であれ結果は左右できる、こういうのが宮廷のやり取りなんだろうさ。

 

「俺にはなんらやましいところがない。成立公司 流石に宦官共も宮で手出しはしてこんだろうよ」

 

 おっと、何進は行くつもりだったか。これは……歴史ってやつだな。止めることは出来ないのが運命、ならばだ。

 

「もし行かれるならば、せめて屈強な護衛を連れていかれては?」

 

 色々な意見から選べるようにするのも周りの務めだ、叱責されても痛くもかゆくもない俺が拾っておこう。護衛も丸腰間違いないが、それでも危険度は下げることが出来るからな。

 

「私は断固として反対します。大将軍、決して行ってはなりません」

 

「袁、曹、両者の言う通りです。兄上、これは宦官の罠です!」

 

 荀彧をチラっとみるが、真剣な表情をしている。先は読めているだろうが、口出しするわけにもいかないんだろう。苦虫を噛んだような顔とはこれだろうか、困り果てているな。

 

「はぁ、わかったわかった、そうまで言うならば行かぬ。陛下には後日改めて伺うと伝えよ」

 

「承知致しました」

 

 使者は使者としての権限しかない、言葉を受け取り帰って行った。まわりの諫言を容れたか、では騒乱はもう少し先になるんだな。

 

「俺は疲れたから休むぞ」

 

 隣室に消えて行った何進。だが直ぐにお開きにはならずに、この場で皆が視線を交わす。「車騎殿、ゆゆしき事態ですぞ」

 

「ああ司隷校尉の見立てではどうだ」

 

面従腹背は宦官の得意とするところ。何食わぬ顔で命を狙い続けるでしょう」

 

 それは俺も同感だ。武力は防げても寝技は防げんだろう、魔窟で生き延びるには何進の注意力は低そうだ。

 

「驍騎校尉はどうだ」

 

「奴らが生きている限り解決などしないでしょう」

 

 官職をはぎ取り追放したとしても、どこかでツラっと復帰しているだろうな。何せ後宮の専決権限というのがある、とやかく口を挟むことが出来ないはずだからな。

 

「俺もそう思う。だが兄上の許可なく勝手にやるわけにもいかぬ……」

 

 困るのはお互い様ではあるが、総大将は何進だからな。そこを蔑ろにするのは確かにいかんぞ。とはいえこの分だと遅かれ早かれ失策をしてしまうだろう。

 

司隷校尉よ、どうか兄上の警護をして欲しい。側近である貴官を頼らせて欲しい」

 

 袁紹の奴、まんざらでもない顔をしているな。そういや名族ってことで自尊心が高い奴だったか、目上に頼まれるのはさぞかし気分が良いんだろうな。

 

「それはお任せを。しかしこのままというわけにも、なあ孟徳」

 

 名案が浮かばないのか、曹操に話を振ったか。だが俺だってこれといったのは解らんからな、ここは三国志の主人公である曹操の知恵を拝借ってやつだ。

 

「褒められたものではないが、やはり宦官は切って捨てるのが一番だ。どれだけ策を弄しようとも、身体から首が離れてはどうにもなるまい」

 

 いやまったくだ。で、それをどうするかってことだぞ。皆も黙って続きを促すかのような表情をしている。「こちらから仕掛けるのはダメでも、あちらからなら良いというのを逆手に取る」

 

「……後の先を取ると言うことだろうか?」

 

 何苗のいう後の先ってのは、次手出しをされたら速攻で反撃を加えて勝ち抜くってことだよな。情報が上手くつかめればギリギリなんとか出来るのかどうかの世界だぞ。あの曹操がそんな危なっかしいことを勧めるもんか。

 

「何も本当に襲撃されてから報復をすることもないでしょう。下手人を予め用意しておいて、襲われたと喧伝してこちらが先に攻め入ってしまえば有耶無耶に出来る」

 

「うむ!」

 

 ははは、さすが曹操だな、こいつらしいよ。なんて思ってたらあいつ、こちらを見てニヤリと笑ったぞ。これぞ乱世の姦雄ってやつか。

 

「どうでしょう袁紹殿」

 

「孟徳の策ならば上手くいくだろう。弟の袁術にも動員を出来るように報せる」

 

 虎賁中郎将は近衛だな、最低でも中立だ、皇帝を守るためだけしか動かなければそれで構わん。

 

「島殿の部隊も計算に入れるが良いな?」

「……儂はそなた程の年の頃

「……儂はそなた程の年の頃、張洪将軍の娘を妻に貰った。その妻が娘を産み、命を落としたのだ。匈奴戦線に在った際にその報を聞いた時、膝から崩れ落ちそうになった。十年以上も異民族と戦う最前線に在り続け、ある日都から都司空丞がやって来て罪を問うた。異民族と示し合わせて戦を長引かせているのではないかと」

 

「バカな!」

 

 中央の役人が考えそうな下らん言いがかりだ!

 

「張洪将軍が儂を庇いたてて官を去った。經血過多 それから十四年、娘が王氏に嫁いだ。安北将軍・北河太守・仮節を与えられ北匈奴と幾度も戦い季節が過ぎ去ると、孫娘が帝の妃として嫁ぐことになったと聞かされた時は驚いたものだ。協が産まれ孫娘も健在でどれだけ心が満たされていたか。だが何皇后により孫娘は毒殺された」

 

 そいつは聞いている、嫉妬の類だろうなって。なまじ身分が高くなってくると、平和に生涯を過ごすことすら出来なくなるんだよな。

 

「協はまだ幼い。儂が協のことを後見してやれる時間はあまり長く残されておらん。だが右を見ても左を見ても、敵ばかり、時に協を利用してやろうと考えているものがすり寄る位だ。情けない、儂は志を持つ者を育てることが出来なかった。何が将軍だ! 何が列侯だ!」

 

 そこで咳き込む。癒彫が背をさすってやり落ち着くのを待った。軽く手をやって離れろと追いやる。

 

「だが天意だのなんだのと言い、絶望の淵にあっても協を裏切らぬ者が現れた」

 

 立ち上がるとゆっくりと近寄って来る。両手を伸ばして肩に置いてきた。

 

「儂がしてやれることは少ない。島介よ、志を託しても良いだろうか? 頼む、協を支えてやって欲しい」 頑固一徹の爺さんが涙を流して懇願する。見てはいけないものを見たような錯覚に陥りそうになってしまった。

 

「頼まれずとも、自分はそうするつもりです。その為にここに在るのですから」

 

 小刻みに頭を上下させると、呼吸を整えるのにやや時間を要した。癒彫に支えられて椅子まで戻ると、顔をあげてこちらを見る。

 

「もう寿命が長くないことは己が一番よく知っておる。孫家の財産一切をそなたに託す。引き受けてくれるだろうか?」

 

 一歩下がり片膝をついて両手を胸の前で合わせ、頭を垂れる。

 

「この島介、孫羽将軍のお志を引き継がせて頂きます!」

 

 この人物は本物だ、歴史の狭間で名を忘れ去られた英雄だろう。寿命とは人に与えられた許しでもある、だが志は永遠を臨めるものだ。

 

「孫伯麗が島伯龍へ願う」

 

 孫羽もまた両膝を床につけて頭を垂れた。また咳き込んだので「閣下、どうかお休みになられてください」癒彫が肩を貸す。

 

 これ以上ここに居ると負担になるな。

 

「将軍、どうかお休みになってください」

 

「ああ、そうさせて貰う。伯龍よ、今後儂のことは長官と呼べ」

 

「承知致しました」

 

 ということはここの武兵らは皆……そういうことなんだろうな。肩を借りて寝所へ行く後ろ姿を見送ると、俺は屋敷を後にした。羽長官か、あの動乱の時代を見ることなく世を去ったのは、或いは幸せだったのかも知れないな。

 

 数日後のことだ、孫羽が死去したと急報が舞い込んできたのは。葬儀は国葬として行われ、喪主は劉協が務めることになった。異例のことではあるが、少帝が特にそれを許したので特別にそのようになったのであった。

金融異常の予測可

これから押し入るってわけか、武力にモノを言わせるならばこちらの勝ちはそこまで難しくない。どこかで政治的な圧力を受けさえしなければな。

 

「兵力面では問題ないでしょうか?」

 

「うむ、兄上のところの部曲兵も報復に出る。見境なく暴れなければ良いが」

 

 そりゃ報復もするだろうな。俺は過剰になるか、なら予定通り外で待っていた方が良さそうだな。

 

「自分は当初の計画通り外に待機しています。宜しいですか?」

まずは確認だ、何苗が乱れた状況で何を優先するか。それにしても市街地は全く騒ぎが無いな。近衛を連れて内城へ向かうと閉門されていた。門衛に「歩兵校尉島だ、開門しろ!」印綬を見せて命令すると扉を開く。車騎府は中央にほど近い場所に据えられている、速足で駆けさせるとすぐに到着した。

 

 武装した兵士が警戒をしているが、こちらの旗印を見るとほっとして通過を許す。下馬して何苗を探す。

 

何苗将軍!」

 

「おお、島将軍! まずいことになった、兄上が宦官の謀略にのり落命を。いま袁紹曹操らが宮へと乗り込んでいるところだ」「ああそうしてくれ。こちらは狙った宦官らの首を落とすだけのこと、こうなれば最早兵力こそが正義だよ」

 

 そいつは道理だな。意志も確認出来た、離脱しよう。側近の楽隠は忙しそうにしてる、吏路と牽招の顔色はいまひとつか。

 

「おい吏路、牽招、落ちついて何苗将軍の身辺警護に集中するんだ。他は誰かがきっちりとするから、そこまで考えなくてもいい」

 

「島将軍、ありがとう御座います!」

 

 拳礼をして不安を見透かされたのに若干恥じつつも、無理してでも笑顔を作る。それでいい。

 

「一大事あれば北門の外側に待機しているから報せろ。では武運を祈る」

 

 こいつらに何かが出来るわけではないが、顔を知りこうやって言葉を交わす仲だ、無事で居てくれと願う位いいよな。内城から出るのに同じ門を通らずに、東門を選んだ。多くの情報を一カ所で知るのは良くないことだからだ。

 

 市街に出るとゆっくりと駒を進めて、城外の文聘らと合流を果たす。その頃にはもう真夜中だった。宮のあたりがほのかに明るいように見えている、火の手があがっているんだろうなあれは。

 

 さて何が何でも全員で警戒している必要はないぞ、かといって黙っていたら全員が落ち付くまい。

 

「文聘、五人に一人警戒で一時間交代、後は食事と休憩をさせておけ。何事かあってからの準備で構わん」

 

「ではそのように命令致します」

 

 傍には荀彧が居て空を見上げている。趙厳は俺の招きを容れて控えている、少し話でもしておくか。

 

「趙厳こちらへ」

 

「はい、将軍」

 

 高校卒業直後って感じだったか、こいつはこんな時でも冷静なんだな。「本来ならばこの歩兵校尉が率いる近衛、皇帝を守るために宮に駆けつける命令が下される。だがなんと不思議なことに争いなど起こっていないことになっている。お前はどう思う?」

 

 異常なし。騒がしくても今の帝にはそのように報告が上がっているだけなんだよ、お互い下手な勅令を出されても困るからな。

 

「騒ぎを収めた者が、負けたものを騒乱で処断するように訴え出るのでしょう。兵力で争うならば宦官に勝ち目は薄いかと」

 

 無いではなく薄いと表現したか。そりゃ完全にどうだとは言えないからな。

 

「ではもし君が宦官ならどうする?」植髮

 

 幾度となく繰り返した言葉、君ならどうする。趙厳という男の考えを知るには、これこそが最高の質問だろ、なあ荀彧。話を聞いているだろうが、視線は星を見たままだ。

「宦官は皇帝陛下の傍にあ

「宦官は皇帝陛下の傍にある存在だからこそです。また兵力が有効なのは皇帝陛下に刃を向けないからです。ならば、御体を他所へ移し共に将軍らに武器を捨てろと勅令を出すべく動きます」

 

 俺も同感だ、正解だよ。

 

「では具体的には」

 

「それは……申し訳ございません、避孕藥副作用 自分では考えが及びません」

 

 目を閉じて小さく頭を左右に振る。限界を知っているものが潔く降参をしたか、出まかせで食い下がるのは現場で武器を振り回すやつなら褒めてやるが、より多くを握るものとしては野蛮でしかない。

 

「荀彧ならどうだ」

 

 こいつの理解度は俺を遥かに越えるが、ちょっとしたズルをしている今はこちらがより遠くを知っているぞ。「渦中を遠ざかる、出来れば二日ほどの距離があるのが望ましいでしょう。城壁に囲われているのが理想ではありますが、街道では直ぐに見つかってしまう懸念が御座います」

 

「だろうな、何せ目立つ」

 

「ですので道を外れ動きます。しかし馬車が通ることが出来るのが最低限の条件、南部へは向かいません。実は未だに東か北いずれか迷っております」

 

「なに、人は知っている地があるとそこへ逃げようとするものだ、宦官らは最近とある場所へ出向いたはずだがどうだ」

 

 ヒントをくれてやる、俺も想像でしかないが平地でうろついていたら程なく発見されるだろうから、やはり山地に逃げ込むのが人情ってやつだろ。

 

「先帝の埋葬で御座いますか」

 

 何度も北部に偵察を入れろと言っているんだ、だが根拠が確実とは言い難いな。

 

「北部山地に向かうと俺は確信している。その為に彼の地の偵察も密にさせていただろう。細かい場所までは絞り込めなかったが、痕跡を残さずに移動できるような組み合わせではないはずだ」

 

「我が君の思慮に感服致します」

 

 荀彧が腰を折ると、趙厳も大きく頷いて同じようにした。そのうちズルが出来なくなるが、一度確立してしまえば別の経験が役に立つさ。

 

「全ては想像でしかない、二人とも様々な想定をしていて欲しい。一つの頭よりも三つの頭だよ」

 

 笑ってやり解放してやる。大将が歩き回っても邪魔になるだけ、兵の掌握はあいつらに任せて横になる。一晩経って野営陣に何苗のところの伝令が駆けつけた。お、もしかして上手く行ったか? 眼前にやって来ると、凶報と言うのがはっきりと感じられた。「申し上げます。車騎将軍何苗様は、大将軍何進様の部将である、呉匡、董旻らの裏切りにより討ち死になされました!」

 

「裏切りだと!」

 

 なんてこった、兵力はあってもそこから攻められたら意味がないぞ。何苗がどうして歴史から名を消すのかと思ったら、そういうことか。だがどうして?

 

「なぜそいつらは裏切ったのだ」

 

「それが、何進様が危険な場所へ行くのを止められたのにそうしなかったのは、何苗様がその……死ぬのを望んでいたからだと、報復を叫び私兵を引き連れ車騎府へ乗り込んできました。不意を衝かれて命を落とされています」

 

 眉を寄せて悲痛な表情を作っている。逆恨みか、それとも本当に知っていたのか? いや、俺があった感じでは隠し事をしていた様子は無かった、こいつは呉匡とやらの勇み足だぞ。それを察知して止められなかったのは何苗の失策だ。

 

 そこからだ、伝令が迸るように駆け込んでくるようになったのは。「どうやら何進大将軍は、正しき漢の将足るものは、朝廷の宦官を除き、真の忠誠を見せるようにと馬を走らせたようです」

 

「すると宦官が動いたのはそれを知ったからか。だと言うのに宮へ出向いたとはな……」

 

「洛陽外城十二門が閉門

「洛陽外城十二門が閉門、出入りが厳しく制限されました!」

曹操殿より、帝が行方不明であるとの密書で御座います!」

「執金吾による洛陽巡回が実施されています!」

「周辺諸侯へ、何進大将軍より檄文が出されていた模様です!」

 

 荀彧と顔を合わせてその檄文とやらの内容を調べることになった。東へは俺が伝令も出してる、保険だよ保険。朱古力瘤 何かしらの対抗策を用意していたと考えられるなこれは、だがそれすらも貫いて暗殺に成功した。こいつは宦官らの能力と結束の結果か?

 

「これは非常にまずいことが起こるでしょう」

 

「野心あるやつらが軍を率いて上洛をするわけだな。その前に俺達が皇帝を助ける、その為にここに陣取っているんだ。いよいよ動くぞ」

 

 伝令は出せても洛陽から軍兵を繰り出すのには混乱が大きい。司隷校尉袁紹だから、あいつの許しがある部隊だけが出入りを許されているわけだ。恐らく最初から外に居なければ、曹操あたりの入れ知恵で俺は城内で待機になっていただろうな。

 

張遼!」

 

「ここだ!」

 

 部隊へ目をやっていた張遼を呼び寄せると「調査済みの北部山地へ先行しろ。武兵団五十と泰山兵百を連れていけ。文聘も一緒に行くんだ」要所へ目を光らせる為に命じる。本隊は物資の移送準備をしてから二時間以上遅れて動くことになるな。

 

 手持ちの兵は近衛八百に武兵百、郷土兵百に泰山兵四百だ。泰山兵の忠誠度は疑わしいし、近衛兵は俺の直下でなければ命令出来ん、郷土兵は陳韋らの取りまとめで戦闘で消耗するわけにもいかん。数が居るようで争いには向かない集団になっているぞ。 河を渡って北側、平県の領域に軍を進めた。県の南部だけが平地で、その殆どが山岳になっている。それらに歴代皇帝の陵墓があるので、あちこちに立ち入り禁止区域が設定されている。平民が迷い込めば首を落とされるので、危なすぎて一般人は殆ど寄り付かない。

 

 現代のような風景を想像してはいかん、未開の野山の間に草が生えていない程度の踏み固められた土があればそれが道と呼ばれる、移動をするのに大層苦労するものだぞ。陽が暮れてしまえば軍を動かすことなど出来ない、適当な場所を見つけて野営することにした。

 

 目につくように火を焚いている、こちらの存在を知らしめるためだ。張遼のところの伝令がやって来たが、目ぼしい情報は何も無い。幕にやって来た荀彧を見たが、こちらも収獲無しだった。

 

「絞り込んでいるにしても、この人数で探すには広すぎるな」

 

 五つに分散して捜索をさせることも出来るが、規模が小さすぎてどうにもならんぞ。

 

「洛陽で行方不明とのことですが、もしや潜んでおられるのでは?」

 

 その可能性はある、だがあちらで見つかればそれはそれで構わん。だが歴史では董卓が保護をしたから幅を利かせるようになったんだ、ならば都には居ないぞ。

 

「かも知れん。だが俺達はそうではない時の為に外で動いているんだ、僅かな供回りと共に落ち延びているとしたら、苦労をしているだろう」

 

 今まで安全で暮らすには不自由ない場所で育ってきたんだ、獣も居れば盗賊も居るような城外で、屋根もなく過ごすのは辛いだろうさ。

 

「一刻も早くお見つけしなければなりません」

 

「或いはあちらから見付けて貰うかだ。味方だと解れば接触して来るだろ」