の接続がおかしくなるの

の接続がおかしくなるのとおなじである。

 あっ、ちょっとちがうか。映画の場合はみなおすことができるが、いまのはちょっとまえにもどるなんてことができないのだから。

 

「主計、いまだ」

 

 永倉が、そう声をかけてきた。https://ypxo2dzizobm.blog.fc2.com/blog-entry-57.html https://besidethepoint.mystrikingly.com/blog/1ad6e3a65d3  https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202308190003/ かれ自身は、すでに駆けだしている。じゃっかん姿勢を低くし、「手柄山」を脇構えにして剣先を右斜め下へ向けている。

 

 すでにでおくれている。それでも、かれに追いつくべく両脚を動かした。

 俊春が「兼定」をひいて有馬と黒田を解放するのを、永倉ごしにみとめる。

 

 俊春は、そのまま体ごとこちらへ向いた。「兼定」の刀身は、すでに鞘のなかにおさまっている。

 だからといって油断はできない。なぜなら、かれの居合抜きもまた、いろんな意味で神がかり的だし、悪魔チックでもあるから。

 

 ここは、永倉が攻撃しやすいようにサポートすべきであろう。つまり、おれが陽動し、俊春の意識を永倉からそらせ、スキをつくるのである。

 

 っていうと、さも簡単そうにきこえるが、実際はムリである。

 では、どうする?

 

 って、かんがえるな。さっきそう話をしたばっかである。なにもかんがえず、そのまんまぶつかればいいんだ。

 

 そうだ。これは、台本のないコントである。文字どおり、体をはって体当たりする。しょせん、ウケるかスベルかのどちらかである。ただそれだけのことではないか。

 

「ぽち、いきますよっ!」

 

 気合の、っていうよりかはやけっぱちに怒鳴りながら、俊春に向かって駆けた。正眼から八相、さらには上段へと構えをかえつつ、自分では神速のつもりで間を詰める。

 

 近間に入るまでに、右脚をおおきく踏み込んだ。同時に、右掌を柄からはなし、上段から左掌一本で振り下ろす。そのおおげさな斬撃は、俊春にすればどうってことのないおおざっぱな攻撃である。おれにしてみれば、かれの意識とが、刹那の間でもこちらに向けばいい。向かせることができればいい、というレベルである。

 

 おれの「之定」の剣先は、空を斬るするどい音とともに俊春の頭上に迫る。

 

『ズサッ!』

 

 そのとき、永倉が思いっきり右脚を踏み込んだ。それだけではない。同時に、下段の位置にある「手柄山」の剣先が、一瞬、砂に埋まったように感じた。しかし、刹那の後、「手柄山」の剣先が、宙に大量の砂を巻き上げたのである。

 

 なんてこと・・・・・・。

 

 大量の砂は、迷うことなく俊春に飛んでゆく。すでに振り下ろされているおれの「之定」に、大量の砂をぶつかった。その感覚を、刀身をとおして感じることができた。

 

 永倉のまさかのチート技・・・・・・。

 これはさすがに、俊春でもかんがえなかったであろう。あの永倉が、である。副長、ではない。

 

 って、驚いている間でも、無意識のうちに左の小指と薬指をしぼっている。「之定」の振り下ろしを、かろうじて急停止させて・・・・・・。

 

 あれ、なんで?なんでおれ、夜空をみあげてるんだ?月と星が真上にみえてるんだ?

 

 って、自分がスローモーションで宙を舞っていることに気がついた。と同時に、尻に軽い衝撃があった。

 そこではじめて、シャツの胸元をつかまれているのを感じて・・・・・・。

 

 なにゆえかわからぬが、左掌に「之定」を握ったまま尻餅ついていた。

 どうやらおれは、胸元をつかまれてそのまま投げ飛ばされたらしい。

 

「す、すまぬ」

 

 永倉の謝罪で声のするほうへと頸をまわし、その光景にぶったまげてしまった。

 

 永倉は砂地に片膝をつき、左掌一本で「手柄山」を前方に突きだしている。そして俊春は、左掌でおれのシャツの胸元を握っていて、右掌で「兼定」を居合抜きしたのか、横薙ぎの状態で「」を宙でとめている。

 

 さらには、半次郎ちゃんの「兼定」が、俊春の「兼定」を受けとめているではないか。

 

 はやい話が、半次郎ちゃんが永倉をかばい、俊春の一撃をとめたのである。

 

 永倉の意表をついた攻撃に、俊春の攻守、半次郎ちゃんの機転による防衛・・・・・・。

 

 この三者の腕前は、もはや想像の斜め上をいきまくっている。

 

「永倉どん、一つ貸しど。そいにしてん、すごすぎるよね。おいどんの剣にあたっ紙一重で斬撃をとむっとは・・・・・・」

「なんだって?」

 

 永倉が叫んだ気持ちはよくわかる。

 

 俊春は、渾身とまではいかずとも居合抜きをしたその一撃を、半次郎ちゃんの「兼定」にあたる直前にとめたとでもいうのだろうか?

 

 しかも、「兼定」どうしがぶつかる、その紙一重でとめるなどとは・・・・・・。