くすくす笑われて三津は好きで問

くすくす笑われて三津は好きで問題児やってるんじゃないと口を尖らせた。

こんな他愛もない会話を二人で食事をとりながらするのはかなり久しい。

そんな二人の時間を邪魔するように奴らは現れた。

 

 

「木戸さん風呂!背中流すけぇ俺と!」

「いや俺やろ高杉!」

 

 

「何の騒ぎですかね?」

 

 

食事中のところ,突然戸を開け放して一体何事か。三津はこっちの二人の方が問題児だと思うのに,何故自分の方が問題児扱いなのか分からない。納得いかない。

そもそも松下村塾の面々に問題児以外いない。

 

 

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「俺らも木戸さんとゆっくり話がしたいそっちゃ。」

 

 

「仕事の話なら明日にしてくれないか?やっと帰って来られたんだ。」

 

 

「いや,男同士の話。」

 

 

高杉は俺も戦明けだからそんな話願い下げだと言う。

政以外の男同士の話ならろくな話じゃないなと三津は判断した。

だから三津は息抜きも兼ねてそう言う話にも付き合ったらいいと桂を二人に預けた。桂が湯浴みに行ってる間に三津は家事を済ませに行った。

台所に居ると先に湯浴みを終えてた入江が顔を出した。

 

 

「按摩お願いしていい?」

 

 

「大丈夫ですよ!」

 

 

快い三津の返事に入江は満足げに笑みを浮かべた。体の凝りが取れないんだと言うから,三津は久しぶりに腕が鳴るなとこちらもにんまり笑った。

 

 

入江の部屋に移動して延べてある布団に入江はうつ伏せに寝転んだ。三津は部屋に踏み込んで中を見渡した。赤禰の部屋だったのにすっかり入江の部屋だった。

 

 

「どこが一番凝ってます?」

 

 

三津は入江の傍らに腰を据えた。

 

 

「何で背中に跨ってくれんそ?稔麿の上には乗ってたのに。」

 

 

「あれは!……脅されたんで。」

 

 

嫌なことを思い出させてくれたなと口を尖らせた。

 

 

「でも相当気持ち良かったんやろなぁって。稔麿があんな声出してたし。私も同じようにして欲しいわ。」

 

 

無邪気に乗って乗ってと催促する。

桂はきっと高杉達と長湯になるだろうと思い,今回だけねと了承した。

 

 

「強めに揉んでも大丈夫やけぇ。」

 

 

「分かりました。」

 

 

三津が按摩を始めると入江は極楽だとその指圧に酔いしれた。

 

 

「三津上手いなぁ。こりゃ稔麿も喘ぐわ。」

 

 

「言い方。あの時やっと吉田さんの弱点見つけたんですけどねぇ。」

 

 

「弱点?」

 

 

「脇腹が弱いんですよ。くすぐったいって言ってて。」

 

 

可愛い弱点だったなぁと笑みを溢した。そう言えばあの時は存分にいちゃついてたなと入江も喉を鳴らした。声だけ聞いてたらそれはもう想像が広がったと。

それもついこの間の出来事だと思ったのにもう随分前の思い出のようになってしまった。

 

 

「稔麿の弱点かぁ……。もっと早く知りたかったな。」

 

 

「知らんかったの?」

 

 

「いい歳の男同士がくすぐり合うと思う?」

 

 

「確かに。」

 

 

想像すると微笑ましいけどねと三津は入江にくすぐられて転げまわる吉田を思い浮かべた。

 

 

「うぅ……気持ちいい……もっと強めでもいいわぁ……。上手いなぁ。」

 

 

褒められた三津は上機嫌でせっせと按摩を施した。

 

 

「痛くない?気持ちいい?」

 

 

「うん,ちょうどいい。気持ちいい……。もう三津が背中に乗っ取る時点で最高に気持ちい……。」

「黙って。」

 

 

せっかく褒められて上機嫌なんだから余計な事を言うなと後頭部を叩いた。

 

 

「そんな興奮させんといてよ。」

 

 

「そんなとこで興奮しないでよ。」

 

 

三津はこれでもかと強めに腰を圧した。

 

 

「うわぁ!効く!そこ効くっ!」

 

 

痛気持ちいいなんて最高だと悦に浸って呟いた。