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鈴本茜九月十六日。

 

空は黒い雲に覆われ、子宮腺肌症致劇烈經痛 患者難成孕?醫生:治療關鍵為長期控制 (cosmopolitan.com.hk)  雨がぽつりぽつりと降り始めている。

この日、壬生寺南門の道を隔てた斜め向かいにある壬生村共同墓地へ、ある墓が建立された。

 

 

傘を片手に、艶のある黒髪を一つにまとめた男がそれを見下ろしている。

 

「…土方さん、意外だなァ。此処に来るなんて」

 

墓の前に佇む土方へ、後から来た沖田がその横に立ち話し掛けた。

 

眼前の墓石には、"芹沢鴨"とその一派の"平山五郎"の二名が連刻されている。

 

 

「…総司か。お前こそ来るとは思わなかったぜ」

 

 

土方は視線だけ沖田へ向けた。その言葉に、沖田は首を傾げる。

 

「私は…意外と芹沢さんと仲良かったですよ。あの人、子どもたちとよく遊んでくれていたから…」

 

 

沖田は口元に薄く笑みを浮かべ、目を細めた。土方はフン、と鼻を鳴らすと興味が無いと言った風に視線を墓へ戻す。

 

 

「俺らなんぞに墓建てて貰っても喜ばねェだろうな」

 

「でしょうね。…いや、存外悪くないと思っているかも知れません」

 

 

雨足が徐々に強まっていく。何処かで雷鳴が聞こえた。

 

「…それは何故だ」

 

「墓には魂が宿ると云うでしょう。そうすれば芹沢さん達は此処に居ることになる。何時でも私達の事を見張れますからね」

 

 

沖田の言葉に土方は舌打ちをする。そして顔を上げ、稲光を睨んだ。

 

「…上等じゃねえか」

 

 

そんな二人の背中を遠くから桜花は見つめていた。

供え用の酒を持ってくるように言われたが、近付ける雰囲気では無かったのである。

 

雨足が強くなる中、足音が近付いてきた。

 

「…この様な所で何をしているのだ」

 

斎藤である。いつもよりも神妙な面持ちで立っていた。

 

 

「斎藤先生。お酒を持ってくるようにと言われたのですが、何だか近寄り難いというか…」

 

桜花に言われ、斎藤は二人がいる方を向く。確かにその背は何処か遠かった。

 

 

「…確かにな。ならば、俺が持って行こう」

 

斎藤は桜花の手からを取り上げると、歩き出す。

 

そして土方に手渡すと、直ぐに桜花の方へ戻ってきた。

 

 

「斎藤先生は手を合わせなくて良いのですか」

 

「…俺は後で良い。そこまで思い入れの強い人達では無い故。行くぞ」

 

 

斎藤の声に反応しつつ、桜花は去り際に再度沖田や土方を見る。沖田の表情は何処か複雑そうだった。土方は何処か憎悪のような、悲しみのような表情で。

桜花は背筋が寒くなるのを感じた。

 

 

「…気になるか。墓の人物が」

 

斎藤は横目で桜花を見遣ると、そう呟く。

桜花は少し考えた後に小さく頷いた。「…そうか、ならば俺の買い物に付き合ってくれぬか。そうしたら道すがら教えてやろう」

 

「…行きます」

 

 

桜花は頷くと刀だけ取りに戻り、斎藤と共に街へ出る。「墓の人物はな、新撰組の前身である壬生浪士組の筆頭局長をしていた。筆頭と付くものだから、近藤局長より上の立場となるな」

 

斎藤は前を向き、淡々と話す。その声には何の感情も込められていない。

 

「近藤局長よりも上…ですか?」

 

オウム返しに対し、斎藤は頷いた。

 

「左様。俺は京で合流した故、江戸から京に来るまでの過程はよく分からぬが…。我らは最初から会津中将公の恩恵を賜っていた訳では無い。後ろ盾も何も無い、ただの浪人集団だったのだ──」